Item 1 of 3
国内ではあまり知名度がありませんが、仏教学・インド哲学の世界的権威である東京大学名誉教授・中村元博士の記念館です。
中村博士は松江市のご出身で、ご遺族の方が博士の蔵書を松江市に寄贈されたことがきっかけで開館しました。
入館無料の館内には、中村博士の膨大な業績を紹介し、博士の書斎を再現した展示室と、博士の蔵書や仏教・インド哲学関連の書籍を閲覧できる図書室があります。
年間を通して東洋の思想や文化に関する講座が開かれており、様々な分野の専門家の方から学ぶことができます。
中村博士以前の日本の仏教研究は僧侶によって行われていたため、どうしても真言宗・浄土宗など各宗派の研究に偏っていましたが、非僧侶の中村博士は中立的な視点で、仏教だけでなくインド哲学や、アジア各地の思想について研究されました。
また、それまでのタブーを破り、法華経や般若経などの難解な漢訳仏典を、初めて一般人にもわかりやすい平易な日本語に翻訳されました。
記念館近くの大塚山には、博士がパーリ語の原典から訳された原始仏典『スッタニパータ』に出てくるブッダの「慈しみのことば」を刻んだ石碑がありますので、こちらもぜひ足を運んでみてください。